フリーランスプログラマになってから大きく感じるのは自分の名前を使って営業をかけ、仕事をし、評価を得るということでしょう。会社の中の誰かではなく、自分自身の名前で仕事ができるというのは、技術者として魅力を感じることでしょうし、さらに規模が大きくなった時のことを考えると少しの苦難も乗り越えられるモチベーションにもつながります。
システム開発案件に会社員プログラマとして参加し、すばらしい成果をあげたとしましょう。その成果に対してクライアントが高く評価したとします。しかし、その評価は、あなた自身ではなく、あなたが勤務する会社の技術力としての評価となります。あの会社の技術力はすばらしいね、という評価になります。もちろん開発はチームワークですので、あなたひとりだけの成果ではないのですが、圧倒的にあなたのスキルでその案件を支えていたとしたら、どうでしょう? そのクライアントは、おそらくまたあなたの会社に仕事を依頼するでしょう。あなたではなく、あなたの会社に依頼するのです。 会社員プログラマの技術力は、会社の技術力として評価されるのです。
あなたが今、会社員として大きな案件に関わっているとします。しかしそれは、あなたの実力で勝ち取った案件ではありません。あなたの会社のネームバリュー、会社の実績、会社の営業力で勝ち取った案件です。その会社の実績や信頼は、あなたではなく先輩たちの技術力で積み上げた実績です。あなたは今たまたま、その会社に勤めているプログラマだから、その案件に関わっているだけです。その案件のクライアントは、あなたがいるからあなたの会社に発注したわけではありません。
上記までを読んで、モヤっとした嫌な気分になった人もいるのではないでしょうか。フリーランスプログラマは、仕事を取るのも自分自身、その成果に対するクライアントの評価も全て自分自身です。良い評価も、悪い評価も、全てあなた一人のものになります。
あなたの技術力に期待し、あなた自身に発注します。その成果に満足すれば、次もあなたという個人に仕事を依頼してくれるでしょう。逆に言えば、あなたの成果に不満があれば、二度と仕事はもらえないかもしれません。自分の名前で仕事を取るという満足感は、会社員プログラマでは到底得ることのできないものです。
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